アレルゲンいろいろ

監修:国立病院機構相模原病院 病院長・臨床研究センター長
秋山 一男 先生
国立病院機構相模原病院 臨床研究センター 病態総合研究部長
谷口 正実 先生
第7回 ゴキブリ

アメリカと日本、ゴキブリアレルゲンが多いのはどっち?

ゴキブリは日本では約50種が生息しているといわれていますが、たいていは森林や草原で暮らし、人の家に侵入する種類はごくわずかです。日本には主にクロゴキブリ、ヤマトゴキブリ、アメリカににはチャバネゴキブリが生息しています。家のなかに棲むゴキブリは暗闇、隙間を好み、集団生活を行うようです。ゴキブリアレルゲンとしては体、脱皮殻、糞などから得られるBla g 1, 2などが知られています。
ここで冒頭の問題の答えです。ゴキブリアレルギーは海外で多く、アレルギー患者の約半数はゴキブリアレルゲンに感作されているとの報告もあります。アメリカのバルチモアで行った小児ぜんそく患者の社会経済的状況とゴキブリアレルゲンによる汚染との関係を調べた結果によると、社会経済的に高い層ではゴキブリアレルギーは少ないものの、都市部の貧困層ではゴキブリアレルギーが77%に認められました。一方、日本では室内の塵からゴキブリアレルゲンはほとんど検出されていません。気管支ぜんそく患者65例の寝具を調べた報告によると、ダニ(Der 1)、ネコ(Fel d 1)、イヌ(Can f 1)のアレルゲンは検出されたのに対し、ゴキブリアレルゲン(Bla g 2)はまったく検出されませんでした。よって答えはアメリカ。ゴキブリにとって日本の家庭は住みにくい環境ということなんですね。

*クロゴキブリ (学名: Periplaneta fuliginosa )、ヤマトゴキブリ (学名: Periplaneta japonica )、チャバネゴキブリ (学名: Blattella germanica )

こまめに食品、残飯の管理をこころがけましょう!

ゴキブリを駆除するには粘着剤を用いた捕獲法や殺虫剤を用いる方法がありますが、ゴキブリの餌を少なくする環境整備も大切です。食品や残飯だけでなく、レンジ周りのこびりついた油や流しのごみ受けに付着したカスなどもゴキブリの餌になるため、こまめに掃除することが肝心です。一般家庭にいるゴキブリは1世代が長いため、いったん駆除できれば再侵入がないかぎり、長期にわたってゴキブリのいない生活を維持することができます。

【参考】
福冨友馬,安枝浩,中澤卓也,谷口正実,秋山一男: 室内環境中のダニ・昆虫とアレルギー疾患,室内環境,Vol. 12,No. 2,pp87-96,2009
小屋二六,永倉俊和 編集: 気管支ぜん息に関わる家庭内吸入性アレルゲン―現在の知見とその対策,東京,メディカルレビュー社,1999
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